乱筆フォト

写真を撮る時、撮った後に思ったことを気まぐれにつらつらと。要はただの日記帳です。

港町横浜の潮風

横浜行ってきたんです。横浜。

と言ってもそれは先々週の事。なんで今書いてるかって、そりゃ遅筆だからでございます。

 

それにしてもまあ、横浜は卑怯ですよ卑怯。

なんせ「港町」というだけで街のキャラが立ってきますし、自ずとフォトジェニックな景色が生まれてきますからね。神戸もそうですが、港町というだけで魅力が4割増しになる気がします。いやはや羨ましい。

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みなとみらいのランドマークタワー。横浜といえば赤レンガ倉庫かこれでしょう。

この日は爽やかな秋晴れの一日で、青空がよく映えました。

 

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ランドマークタワーの足元の日本丸の前では、中学生による吹奏楽演奏が行われておりました。港町のシンボル的な帆船の前で演奏する……なんだろう、すごく完成された青春という感じがする。なんだよそれって感じだけど、そう感じるんだもの。

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いやー、本当にいい天気だ。

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汽車道。港への貨物線跡を利用した遊歩道なんだそうですが、このようにレールが残されています。ウッドデッキを歩くような感覚で、潮風を微かに感じながら散策。赤レンガ倉庫へ続く道でもあるので、行き交う人もひっきりなし。ザ・うららかな昼下がり。

 

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今更説明不要の赤レンガ倉庫。舞鶴の赤レンガ倉庫は行ったことがあるけど、あそこはどちらかと言えば史跡もしくは公共施設という印象が強かったけども、ここはガッツリ現役の商業施設という趣き。どっちが好きかというと舞鶴のそれなんだけども、まあ赤レンガってだけで被写体としては十分過ぎるぐらい魅力があるので別にいいや。

函館の赤レンガ倉庫も行ってみたいなあ。昔、ノエインというアニメがありまして、それを見て以来函館によく分からない思い入れがあるのですよ。行ったこと無いけど。商業的にはアレだったとの事ですが、名作SFだと思いまっせ。お薦め(何の話だ)

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青い空に白い雲。港町を訪れるのにこれ以上の日和がありましょうや?

これまでにも何度か横浜や横須賀といった港町に行きたいなと思う事はあったものの、そう思い立った日は大抵曇りという運の巡り合わせの悪さに悩まされ、なかなか足を運べずにおりました。

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大桟橋にはどうやら中国から来たと思しき大型客船が着岸中。

いっときの「爆買い」ブームは落ち着いたとはいえ、やはり外国人観光客の中で大きなウェイトを占めるのが中国人観光客なわけで、まさに日本の海の玄関口たる横浜に相応しい光景に思えますな。

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しかし大きい。いや、豪華客船には更に上がいるという事は分かるのだけど、実物を眼前にするとやはり圧倒されます。正直、自分の写真ではイマイチ伝わらなさそうなのがもどかしい。

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船に限らず乗り物というものはそれ自体も印象的な被写体である上、人との繋がりも感じられる。そんな気がするんですな。物語を内包しているというか。

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行き交う船は多種多様。まあ、赤レンガ倉庫近辺だとどうしても遊覧船が多いけども。こういう船には縁が無さそうだけど、乗ってみたいなあという気持ちはある。

行き交う船を見るともなく見てはボケっと過ごす。それもそれでオツではあるのだけれども、この時点で結構時間を潰してしまっていたので、今度は山下公園の方へ。ちなみに現地に来て初めて知ったけど、赤レンガ倉庫から山下公園までは陸橋伝いに行くのね……。

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大正元年浦賀船渠製。橋に使われた鉄骨の一本にも歴史を積み重ねを見せてくるスタイル。横浜強い。

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道すがらでももちろんバシャバシャ撮る。K-1のバッテリーはまだまだ余裕。こんな事しているから時間ロスが多くなる。致命的なまでに同行者のいる旅行に向かない性分なのですよ。誰かとどこかへ出かける時も、相手はカメラ沼の同じ穴の狢ばかり。

ひとたびカメラの門をくぐった者は、二度と娑婆には戻れない。ヨモツヘグイ。古事記にもそう書かれている。

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オバケにゃガッコも試験も無いが、警察官には土曜も日曜も無い。海の男は今も昔も月月火水木金金(ホンマかいな)。いやほんと、お疲れ様です。

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さて、山下公園に到着。そして山下公園と言えば、ひいては横浜といえばやはりこの御方。氷川丸。戦前戦中戦後を生き抜いた貨客船ですな。クラシカルで優美なフォルムは今見ても白眉と言えるもの。時代を経た機械というのは、大きいものから小さなものまで形容し難い魅力を持っていると感じるけれど、これもまさにそれ。

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錨鎖にて羽を休めるカモメも、氷川丸ではお馴染みの光景なのだそうな。どうでもいいけど、カモメというと思い浮かぶ名前はやはりジョナサン。ジョースター家じゃないよ。「かもめのジョナサン」、前半は大好きなんだけど、後半はどうも受け付けないんだよなあ。この例えもどうなんだと思うけど、前半はなんとなく中島敦の「名人伝」みたいなノリで好き。

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ともあれ氷川丸の中へ。この時点で閉館時間の17時まで1時間ほどという切迫した状況に。自分は博物館や美術館の展示を見るのに物凄く時間がかかるクチなので、既に自分のペースでじっくり見る事は不可能な状態。上野の東博の常設展で丸一日かかったもんなあ。ちなみに科博の常設展は一日では到底無理で、リピーターパスを買って今も何回かに分けて咀嚼しているところ。消化機能の衰えた老人じゃないんだから……。

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もうこの空間だけで入館料払った甲斐はあるよねっていう。

今にもミステリー事件が起こりそう。通路の奥からハンニバル・レクターが歩いてくるよ、きっと。アンソニー・ホプキンスベジタリアンと知った時は、驚いて引っくり返りそうになった。

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特に意味もなくモノクロ。戦前の空気感が出るかと思ったらそうでもなかった。やっぱりフィルムっぽくエフェクトをかけるべきだった? いやいややっぱフィルムで撮れと? 貴方はそう仰せですか、主よ。

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優雅な食事の時間に思いを馳せる。でも仮に戦前に自分がこの船に乗ったとしても、三等客室で雑魚寝している姿しか思い浮かばないなァ。

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デッキへ。傾いた陽射しが心地よい柔らかさで差し込む。氷川丸の効果だろうか。

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鐘。これが本当に1930年当時からある鐘かは分からないけれども、およそ場の雰囲気というものが「それっぽく」仕立て上げてしまう。

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カワウだろうか。船首側の錨鎖にはカモメたちとはまた違う集団が、羽を休めていた。同じ船でも前後で縄張りが違うのね。

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再び船内へ。いかに優美な船であっても、腹の底には無骨な機関が鎮座ましますわけで、これはまたこれで船の魅力。

惜しむらくは、この時点で蛍の光が流れ始めており、急ぎ足で駆け抜けざるを得なかった事。

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とある部屋ではインスタレーションが行われていました(展示と言うべきなのかもだけど、行われると言う方が正しい気がする)。音声という要素があるので、写真では肝心なところが伝わらないもどかしさ。さっと通り過ぎちゃったしね。勿体無い。

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追われるように船外へ。ジョナサンはまだ錨鎖の上に。いやジョセフか承太郎かもしれんけど。

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 秋の日は釣瓶落とし。あっという間に横浜に夜が来る。これまた急かされるように山下公園を後にする。事前に下調べしていた夜景スポットの、大桟橋近くの象の鼻突堤に向かう頃には、あたりはもうスッカリ夜に。 

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定番のスポットだけあって、様々な人が様々な機材で目の前の夜景を撮ろうとしていた。ジッツオの三脚に5Dを乗っけたお爺様から、それぞれ安いアルミ三脚にエントリー機を乗っけたカップルも。スマホで悪戦苦闘する人もちらほら。

もちろん、ペンタックスを使ってるのは自分だけだった。観光地で同類が見つからないのはペンタユーザーあるある第1条1項だと思う。百年の孤独。悲しくなんてない。 

このあたりでバッテリーがそろそろ心もとなくなってきたので、バッグの中をゴソゴソやった訳ですが、どうも予備バッテリーを忘れてきたらしいという事が発覚。悔いても仕方ないので、後はもうどこまでバッテリーが持つか次第。ギリギリで生きてんなぁ、俺。

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場所を移す途中で赤レンガ倉庫を再度通りがかったら、地獄のような色合いになっていた。色飽和とかじゃなく、ほんとにこんな色合いだったんですよ。

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場所を移して、今度は万国橋からみなとみらいを。こっちはそれほど人もおらず、スペースも割合広々。

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汽車道から。

今回は3ヶ所で夜景を撮ったわけだけど、これが一番のお気に入り。リフレクションが綺麗にいったかなーというのと、敢えて色温度を上げて現像したのがハマったかな、という二点がその理由。前の二枚も再度色温度高めで弄ってみてもいいかもね。

 

と、ここで遂にバッテリーが力尽きました。まあ潮時かな、という事でこの後は桜木町駅へ一直線。なかなか来れていなかった所にようやく足を伸ばせたわけですが、満足のいく収穫でホクホク。

今度は横浜でも縮景園八景島の方に足を運んでみたいねェ。ああもちろん、横須賀もいいな。

 

オマケ

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金平糖のなる街灯。FA Limitedは古い設計とよく言われるけれど、それ故に絞るとクッキリ光芒が出て夜景に映えるよね。DA Limitedがリニューアルで軒並み円形絞りになって光芒が出にくくなった事を考えると、仮にFA Limitedがリニューアルしても旧版の方が味があって楽しそう。クロスフィルターを使えというツッコミは無しの方向でお願いします。